「Business of Engineering」とは?Aras CEO&ファウンダー、ピーター・シュローラへの3つの質問

この20年、エレクトロニクス、そして今はソフトウェアがあらゆる製品の重要部分を占めるようになり、製品は飛躍的に複雑になりました。そしてこのことが、製造業にこれまでにない課題を突き付けています。例えば、適切なソフトウェア開発の専門性がなくても製品の統合性(インテグリティ)を管理し、重要なテクノロジーを管理するサプライヤーとの関係を調整し、現場の製品に対しソフトウェアがアップデートされる際の操作の安全性を確保し、ますます複雑になる規制・法令に対しコンプライアンスを確保しなければならないのです。

しかし、従来のPLMシステムはこのペースに追いつくことができずにいます。旧来のアーキテクチャでは、ハードコードされたアプリケーションやデータ、プロセスががっちりと組み込まれており、導入に数年を費やし、アップグレードするには複雑すぎるシステムになっていました。こうした従来型PLMシステムは、まさに「Science of Engineering」というべきメカニカルな3D CADにばかり注力し、ソフトウェアやエレクトロニクス、要件、製造プロセス計画、サプライチェーン、品質、技術文書の作成といった重要なプロセス、つまり「Business of Engineering」が分断され、それぞれの機能を発揮できずにいたのです。

本ブログ記事では、ArasのCEO&ファウンダーが未来のPLM戦略として「Business of Engineering」のコンセプトを語ります。

1.「Business of Engineering」とは何を意味するとお考えですか?

エンジニアリングの本来の目的はビジネス、つまり、利益を生む製品を作ることです。これには、顧客の要求を満たすことから、法的責任を最小限にすること、持続可能性を実現すること、開発コストや製造コストを最小限にすることまで、さまざまな意味合いがあります。

私たちの競合や市場アナリストの大半は、イノベーションの価値を大げさに評価しがちです。しかし、エンジニアリングの目的は格好のいい製品を設計することではありません。“儲かる”製品を作ること、つまり、ビジネスとして成り立たせることなのです。これに対し、「Business of Engineering」は、製品のライフサイクル全体を理解し、それに対するすべての影響(製造コストや法的責任、リスクなど)を管理することに焦点を当てています。こうした考え方はこれまで「Design for X」と呼ばれ、Xの部分には製造性や試験容易性、サポート容易性などが該当していました。

2.製造業にとって「Science of Engineering」と「Business of Engineering」を区別することがなぜ重要なのでしょうか?

大切なのは両者のバランスです。過去20年、市場(アナリストやソフトウェアベンダー、大学なども含め)は3D CADやシミュレーション、デジタルモックアップ(DMU、専門性の高いビジュアライゼーション)への大きな投資を推し進めてきました。こうした「Science of Engineering」は確かに重要ですが、Business of Engineeringへの投資とのうまくバランスを取らなければ、製造業は利益を生む製品を作ることに苦労することになるでしょう。

製造、品質、サプライチェーン、梱包、構成管理、物流、フィールドサポート、要件管理 - これらは利益を生むものづくりのために求められる、重要な役割・課題のほんの一部です。しかし、製造業の実情を正直な気持ちで見てみてください。社内およびサプライチェーンにおいて、製品に関連するデータやプロセスの大半は未だに手作業や紙の文書、電子メール、エクセル、Lotus Notes、Dropbox、FTPなど自前のシステムで管理されているのではないでしょうか。その点、柔軟性やスケーラビリティ、長期的なレジリアンス(しなやかさ)を備えたAras Innovatorのプラットフォームは、こうしたBusiness of Engineeringに関わる複雑なデータやプロセスへの対処にまさに適しています。企業全体のビジネスプロセスを考えると、機械設計のユースケースといったワークグループレベルでの「Science of Engineering」に比べ、はるかに柔軟性のニーズが高いです。

3.次の10年を見据えて製品開発の課題を解決するために、製造業が最も考慮すべき戦略は何でしょうか?

製造業は今、コンプライアンスや法的責任、グローバル競争、分散されたサプライチェーン、複雑化するソフトウェアやエレクトロニクスのコンテンツ、IoTなど、多くの点で急速な変化に直面しています。製品はもはやメカニカルな要素だけのものでも、単独で設計されるものでもありません。誰もがシステムエンジニアになります。そうしたなかで取るべき戦略は何かということ、製造業にとっては自社のPLM戦略を見直し、Business of Engineeringにどう影響を与えるかを考えることが不可欠になるでしょう。私たちには、昨今の混沌としたシステムの状況に取って代わるような、新たなビジネスニーズにも効率的に応えられるプラットフォームが必要なのです。

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