ゼロからの Aras Innovator 第6回 〜 ファイルサーバ共有はもう古い:VaultとOffice Connector 〜

日本のArasコミュニティイベント「ACE 2013 Japan」が、先日(9月26日)東京秋葉原にて開催されました。
ご参加頂いた皆様、どうもありがとうございました。
残念ながら今回ご参加頂けなかった皆様、Arasの勢いを直にご確認頂けるイベントになっておりますので、次回こそは是非お越しください。

ACEの準備等の関係で、前回の投稿からかなり間が空いてしまいました・・・。何卒お許しください。

今回は、Arasフレームワークの主な構成要素をご紹介しているシリーズの5回目となります。
Aras Innovatorでのファイルの取り扱いについてご紹介します。

ゼロからの Aras Innovator 掲載予定

 


ファイルの管理場所

Aras Innovatorも他のPDM/PLM製品と同じく、ファイル名、作成者などの属性データと、実ファイルとは別々の場所で管理されます。

  • 属性データ: 「File」アイテムタイプのアイテムとして、データベース上で管理
  • 実ファイル: Vaultサーバに転送され、そのファイルシステム上で管理

ファイルの管理場所

 

ファイルをAras Innovatorの中で管理することで、従来のファイルサーバでの管理と比べて、以下のようなメリットが生じます。

  • フォルダ階層とファイル名で表現していたファイルの分類や属性を、プロパティや他のアイテムとのリレーションによって、より直接的かつ立体的に表現可能。
    • 従来は最初のフォルダ分けが適切でないと、後からフォルダ整理が必要だったりそのせいでリンク切れを起こしたり。あるいは1つのファイルを複数のフォルダにコピーしていて、どれが正しい版か分からなくなったりなど、苦労が絶えませんでした。
  • システムで自動的に世代管理される。
    • 従来はファイル名にバージョン要素を付記して管理するなど、個別の運用ルールで対応していたかと思います。ただ、厳密に遵守されていたかというと・・・。
  • アクセス権を細かく設定可能。
    • 従来はフォルダ単位等でアクセス権を制御していたかと思いますが、Aras Innovatorを使うと、リリース済みになったら参照可能、などの制御も可能になります。

「File」アイテムタイプ

「File」アイテムタイプは世代管理対象のアイテムタイプとなっており、各世代ごとの属性データ(DB上)と実ファイル(Vault上)が保管されます。後から過去に遡って参照することが可能です。

また、「File」アイテムタイプへのリレーションシップやItemプロパティを定義すると、それらを取り扱う画面に自動的にファイル選択機能が付与されます。ファイル選択機能には以下のようなものなどがあります。

  • リレーションシップグリッドでのリレーション追加
  • リレーションシップグリッドへのドラッグアンドドロップ
  • アイテムプロパティの入力欄クリック

ファイル選択機能

 

「File」アイテムを開くと、事前に設定されたビューワで実ファイルを表示します。

ビューワでのファイル表示

 


「File」アイテムの編集

「File」アイテムを編集するには、

  1. チェックアウト(ロック)
    → Fileアイテムがロックされ、ユーザのPCに実ファイルがダウンロードされます。
  2. 専用のアプリケーション(ExcelやCADなど)でファイルを編集
  3. チェックイン(アンロック)
    → Fileアイテムがアンロックされ、ユーザのPCから実ファイルがVaultサーバにアップロードされます。

という手順を踏みます。
例えば「パーツ」アイテムを編集する際に、ロックして編集して保存してアンロックするのと、ほぼ一緒と考えて頂いて結構です。

ファイルのチェックアウト・チェックイン

 
※ ユーザへは、「File」アイテムを直接開放せず、DocumentやPartなど、他のアイテムタイプでラッピングすることを推奨しています。「File」で十把一絡げになっている状態では細かい権限設定などが施し難いためです。ラッピングしたアイテムタイプ側に権限設定を施し、振る舞いを制御します。


Office Connector (サブスクライバ向け機能)

通常、Aras Innovatorで文書管理を行う場合は、Fileアイテムを直接管理するのではなく、Documentアイテムでラッピングして使用します。

DocumentとFileの関係

 

添付ファイルが MS-Officeファイルとなるような文書の場合、「Office Connector」を利用すると、Aras Innovatorの画面を開かずに、Aras Innovatorに登録されている文書の呼び出しや、ファイルの登録が可能になります。テンプレート呼び出しや、パーツなどの関連アイテムへの紐付け、自動採番などもサポートされていますので、Officeアプリケーションから全く出ることなく、PLMの共有機能をフル活用することができます。

Office Connector

 

ExcelやWord文書だけでなく、Outlookメールも共有対象にできたりします。

Office Connector for Outlook

 


Vaultレプリケーション (サブスクライバ向け機能)

Aras InnovatorはエンタープライズレベルのPLMを標榜していて、そこには当然海外拠点も含まれています。
海外拠点を包含したシステムの場合、地域によってはネットワークインフラが充実していないなど、ネットワークの問題が無視できません。今回のテーマである「ファイル」に関して言うと、サイズの大きなファイルをダウンロードする場合にこの問題が顕著となります。

この問題への解決策として、Aras InnovatorにはVaultレプリケーションの機能が備わっています。

Vaultレプリケーションとは、あるVaultサーバに格納されているファイルを別のVaultサーバに自動的に非同期で複製する機能です。特定のファイルのみ複製するようなフィルタリングも可能ですし、コピーではなく移動することも可能です。

Vaultレプリケーション

 

様々なシナリオでご活用頂ける機能ですので、是非お試しください。
※ 次回は、Aras Innovatorに様々なビジネスロジックを設定するための基礎中の基礎となる「AML」と、それを用いたメソッドの開発についてご紹介したいと思います。
それでは、また次回。

(アラスジャパン 宮内一也)

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