ゼロからの Aras Innovator 第1回 〜 Aras Innovator の基本構成 〜

今回から数回に渡り、Aras Innovator に関する基本知識となる部分について概観していきたいと思います。
その初回となる今回は、一番大枠の部分、全体像についてです。

一口に「全体像」と言いましても、色々な見方が可能ですので、ここでは、

  • システム構成
  • 機能構成
  • データモデル(フレームワーク)

の3方向から Aras Innovator を眺めていくこととします。

全体像の3つの視点


システム構成

全体像の3つの視点:システム構成
まずはシステム構成から・・・。
Aras Innovator は、最小限の構成では大きく4つのシステム要素から成り立ちます。

  • Innovatorサーバ
  • データベースサーバ
  • Vaultサーバ
  • Vault(ファイルシステム)

そして、これらにアクセスするクライアントとして、各ユーザのPC上のWebブラウザが必要になります。
(タブレット端末用のアプリがあったり、Excelを画面代わりに使うように作り込んだりもできます)

システム構成

 

Innovatorサーバ:
Aras Innovator の中心となる要素です。Webサーバでもあり、クライアントのWebブラウザからは、この上に乗っかっているページを見ています。また、クライアントから要求されたビジネスロジック(プログラム処理)を実行します。

データベースサーバ:
パーツマスタやBOM、設計変更要求などの業務データを蓄積します。
のみならず、ワークフロー構成や画面レイアウト、データモデル、ビジネスロジックのプログラムコードまでが格納されます。
Vaultに格納されるファイルのメタデータ(ファイル名やファイルタイプ、格納先Vault、作成者などの、ファイルに付随するコンテンツ以外の情報)もこちらで管理されます。

Vaultサーバ:
一般的なPDM/PLMシステムと同様 Aras Innovator でも、CADファイルやExcelファイルなどの実体ファイルの管理(世代管理や権限管理、チェックイン・チェックアウトなど)が可能です。実体ファイルはVaultサーバを経由してVaultに格納されます。Vaultサーバはその受付窓口であり、適切に交通整理をします。

Vault(ファイルシステム):
通常のWindowsのファイルシステムです。実体ファイルの格納場所として使用されます。
(ファイル自体はこちらに格納されますが、ファイルに付随する情報 = メタデータ はデータベースサーバで管理されます)

クライアント:
Webブラウザです。現時点で最新の Aras Innovator 9.3 では、Internet Explorer のみに対応していますが、今秋にリリースを控えている 10.0 では、Firefox へも対応予定です。
なお、スマホアプリやExcelマクロなどを作成し、クライアントにすることも可能です。

※ OSやアプリケーション、処理性能などのシステム要件については、下記URL先のドキュメントをご参照ください。
http://www.aras.jp/support/documentation/


機能構成

全体像の3つの視点:機能構成
次に機能構成を見ていきます。
Aras Innovator をダウンロードしインストールすると、基本処理を司るフレームワークモジュールに加えて、3つの「プレパッケージソリューション」がセットアップされます。

  • PE (Product Engineering)
  • PM (Program Management)
  • QP (Quality Planning)

これらはそのまま使うことも可能ですし、属性や処理などを追加してカスタマイズして使うことも可能です。

機能構成

 

Arasフレームワーク:
ワークフローエンジン、ライフサイクル管理機構、世代管理機構、フォーム生成、データベース処理、ファイル管理、・・・など、Aras Innovator の根幹を成す部分です。すべてはこれの上に成り立っています。

PE (Product Engineering):

PE
Aras Innovator は、「エンタープライズPLM」パッケージです。
「PLM」は幅広い解釈が為されるワードですが、その中心に製品情報・BOM(部品表)が存在するという点は共通しているのではないかと思います。
PEは、その 製品情報・BOMの作り込み 、及びその 維持・管理 を支援するためのソリューションです。
各種文書やCADデータの管理、CMII準拠の設計変更プロセスなども実現可能です。

PM (Program Management):

PM
自動スケジューリング機能なども具えた、いわゆるプロジェクト管理ソリューションですが、プロジェクト横断でのフェーズ管理や製品情報・BOMと絡めた 成果物管理 、アサインされた作業を担当者に促す プロジェクト「推進」 機能などが特徴です。
プロジェクト管理に特化したアプリケーションでは実現できない、PLMパッケージに同梱されているからこそのメリットを享受頂けるのではないかと思います。
なお、MS-Projectとの連携も可能です。

QP (Quality Planning):

QP
QMSで求められるFMEAやコントロールプラン、CA/PAを実現します。
PMソリューション同様、アサインされた担当者に作業を促す機能が存在します。

※ これだけでは何のことやらかと思いますが、これらのソリューションを説明するのは本ブログテーマの趣旨ではありませんので、何卒ご容赦を。弊社Webサイトをご覧頂けますと、より詳しい内容が分かるかと思います。ここでは、Arasフレームワークが基盤として存在し、その上に3種類のソリューションが既製品として準備されている、という程度のことをご理解頂ければ十分です。
http://www.aras.jp/solutions/

※ 3つのプレパッケージソリューションに留まらず、要求仕様管理ソリューションや3D CADモデルから3D PDFへの自動変換機能、各種CADとのインテグレーションなど、サブスクライバ向けのソリューション/機能が続々とリリースされています。詳しくは弊社Webサイト、及び毎月配信しているNewsletterをご覧ください。


データモデル(フレームワーク)

全体像の3つの視点:データモデル
最後にデータモデル(フレームワーク)です。
機能構成でも触れたように、Aras Innovator の3つのプレパッケージソリューションは、すべて同一のフレームワーク(基盤となるデータモデル、メタデータモデル)の上に構築されています。
そして同じフレームワークの上に、御社独自のまったく新しいパッケージソリューションを作り上げることが可能となっています。

そのデータモデルとは・・・

データモデル

 

・・・「アイテムタイプ」を中心としたものとなっています。

では、「アイテムタイプ」とは何か?
これについては、次回ご紹介したいと思います。


★★★★
今回、漠然とした内容ばかりが続き、ちょっと辛かったかもしれません。次回以降、シンプル・イズ・ベストで手短にご紹介できるよう、鋭意努力致します。

(アラスジャパン 宮内一也)


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