「社内に分散しているドキュメントを統合管理するには」⑥

代表的なドキュメントの管理方法の特徴を把握し、自社にとってのメリット・デメリットを検討して自社に合ったドキュメント管理方式を選択した後に仕組みを構築していくことになるのですが、ドキュメント管理システムを構築する上では次の3つのポイントに関して自社の運用ルールを明確にしておく必要が有ります。

 

1.ドキュメントライフサイクルの定義

ドキュメントには作成されてから廃棄されるまでのライフサイクルが有ります。

一般的には作成->レビュー->公開->再利用->保存->廃棄といったライフサイクル別に管理方法を検討しておく必要が有ります。

例えば共有フォルダで管理する場合は、作成や公開の方法に関しては検討されていますが、レビューや再利用に関する検討がされていない場合が多いため、様々なレベルのファイルがたくさん共有フォルダに保存され、どれを使えば良いのかがわからなくなってしまいます。

ドキュメントのライフサイクルを検討をすると必ず「公開」や「再利用」を検討する必要が出てきます。これらのドキュメントライフサイクルステージを検討することで、部門を超えた情報インフラを構築していくことが可能となります。

2.ドキュメントを活用する登場人物の管理

組織を超えた情報流通を実現する場合、ドキュメントの作成者だけでなくドキュメント情報を活用する登場人物もあわせて設計しておく必要が有ります。

関係者とは主に下記のカテゴリーがあります。

作成者:コンテンツの作成者

プロデューサー:アウトプットするコンテンツに対する責任者

関係者:コンテンツを使って作業を行う人

参照:コンテンツを参照するだけの人

先のドキュメントライフサイクルにこれらの登場人物のロールを組み合わせることで、コンテンツとしてのドキュメントの振る舞いが明確になってきます。

3.業務シナリオの設計

ドキュメント管理システムは、あくまでも業務で使えるシナリオに沿って活用できないと意味がありません。

そこで最後にドキュメントの使われ方を踏まえた業務シナリオを設計していきます。

業務シナリオに沿ったドキュメントフローチャートを作成し、ドキュメントのライフサイクルと各ステージでの登場人物を組み合わせてドキュメント管理のあるべき姿を構築します。

作成した業務フローはこれから実現するフローなので、実際に検証されたものでは有りません。

そこで予め想定される不具合もこの業務フローを使って検討する必要が有ります。

想定される不具合が検討できたら、あわせて不具合に対する対策も考慮してソリューションとして組み込んでいきます。

ドキュメント管理システムの構築に関する難易度のレベルは、現状の状態に応じてかなりの差が有ります。

ドキュメント管理は小さな規模で実現するのであれば簡単に実現できますが、部門を超えた情報共有を実現しようとするとしっかりした考え方を持ってプロジェクトを進めていく必要が有ります。

しかし、部門を超えたドキュメント管理を実現した方が必ず得る効果も高いのも事実です。

最近では、組織に分散している知識を組織の壁を超えて有効に活用して方法として、SNSやマイクロブログ、ブックマークや動画共有などのソーシャルメディアの活用も盛んです。

これらのソーシャルメディアはインターネットという媒体を通じて瞬く間に国や組織の壁を超えて情報を共有することを実現しています。

ソーシャルメディアのテクノロジーをそのまま活用することもできますが、企業で情報共有する場合はソーシャルメディアのコンテンツに企業活動としての成果物としてのドキュメントや製品情報などをあわせて管理できるようにする必要が有ります。

このような技術を積極的にPLMシステムとして取り込んだソーシャルPLMといったシステムの提供も始まっています。

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-久次 昌彦-