プロダクトライフサイクルの情報管理はどうすれば実現できるか?④

利用ユーザ数の増加によるコストの問題を解決

PLMシステムの導入が進まない大きな理由にコストの問題があります。

設計業務の効率化を実現するために導入されるPLMシステムは設計部門だけに導入してもあまり効果は期待できません。

ものづくの一連の作業を俯瞰してみた場合、量産開始までの期間が短縮されないと意味が無いわけで、設計部門内の情報効率化だけ図れて図面を完了する期間が短縮されても、その情報を必要とする購買や製造部門への情報提供が遅く、後工程での評価のフォードバックが遅くなってはかえって設計業務に手戻りが発生し、結果として量産化までの期間が同じなんてことではあまり意味がありません。

そこで、PLMシステム導入時には購買や品証および製造の部門まで含めた関係者まで広めてシステム計画を立案するのですが、設計部門の利用ユーザが100人でも、購買や製造などを含めると数百人になったりします。

また昨今では全ての業務を自社内で行っているわけではないため、外注先まで含めるとすぐに千を超える人たちでシステムを活用していかなければなりません。

PLMシステムはほとんどの場合利用者のヘッドカウントでソフトウエアライセンス費用が決まってくるため、設計部門の100名の利用ユーザ数であれば投資可能な金額でも、ひとたびライフサイクルという範囲でシステム化を考えると現実可能な金額では収まらなくなってきます。

しかし最近ではPLMシステムをライセンスフリーで提供しているものも出始めました。

ライセンスがフリーなので何人で使おうとシステムには費用がかかりません。

フリー(無料)となると「本当に使えるシステムなのか?」どうかが心配になりますが、そこはフリーの良さを生かし本格的に投資をする前に実際に利用して自社のニーズに合っているのかを確認することも可能です。

ネームドライセンス、コンカレントライセンス、無制限ライセンスおよびフリーライセンスとPLMシステムの販売形態も様々な形が登場しています。

このような多様な選択肢の中から自社の投資レベルにあったPLMシステムを選択することがすることをおすすします。

ここに紹介したPLMシステム構築の成功のポイントはどれもPLMシステム構築を成功させるためにクリアする必要のある条件といえます。

ERPシステムが導入され、企業の中に分散されていた会計情報が、”One Fact One Place”の名のもとに有機的に関連付けられ企業内の活動状態を数値で見えるようにすることができました。

同様に、PLMシステムも製品情報を中心に、製品を作るために必要な情報を関連付けた一元管理を実現し、製品をキーに必要な情報を簡単に取り出せるようになることで、ものづくりに必要な情報の所在を見える化することができます。

 

図3

企業活動にとって、お金の流れと共に”もの”の流れを把握し活性化することは非常に重要なテーマで、”もの”の流を見える化するにはPLMシステム構築が一つのソリューションとなります。

-久次 昌彦-