プロダクトライフサイクルの情報管理はどうすれば実現できるか?③

モデルベースフレームワークによるPLMシステムの構築

製品のライフサイクルに渡る情報を管理するPLMシステムには、ライフサイクルの様々なフェーズの業務で要求される機能が求められます。

最近のPLMシステムもそれに対応して数多くの機能を持つようになりましたが、ものづくりは各企業毎の文化が反映されていることもあり、お仕着せの機能ではそのまま使えないことも多々あります。

このようなPLMを利用する環境の特性が、PLMシステム構築時にカスタマイズ作業が発生する原因でもあり、これを避けて通れません。

よってPLMシステムは柔軟に機能の追加開発や変更できることが要求されてきます。

また、PLMシステムの追加開発や変更に時間がかかるようでは意味がありません。

現場の業務プロセスはどんどん改善され変わっていっているのにシステムが従来のルールのままでしか動かないという事態は避けなければなりません。

PLMシステムの導入を成功させる手法としてはアジャイル開発によるシステム構築のアプローチが効果的です。

アジャイル開発とはイテレーション(反復)と呼ばれる短い開発期間を定め成果物を完成させ、イテレーションのサイクルを繰り返すことでリスクを最小化してシステムを構築する手法です。

このアジャイル開発でPLMシステムを構築するにはPLMシステム側のカスタマイズ手順もそれに準拠している必要があります。

このような要求に応えるべく最近のPLMシステムにはモデルベースフレームワークを採用してアジャイル開発を可能にしているものが出てきました。

モデルベースフレームワークとはシステムで管理する対象をモデルとして定義し、このモデルに沿って開発をすすめるアプローチです。

このようなモデルベースを可能にしているシステムでは、システムの仕様を記述するのではなく実際にリアルタイムで実装して動きを確認し、設定した仕様は自動的に仕様書として作成されるので仕様書を作成する必要がありません。またコンパイルといった手続きを踏まずに即座に機能を確認することを実現していますのでユーザの要望を聞きながらシステムを開発していくことが可能です。

またモデルベースフレームワークでは面倒なデータベースやアプリケーションサーバーなどのインフラに対する詳細な設定をあまり考慮することなくPLMシステムの開発に集中することができます。

PLMシステムの導入には現場の意識改革も必要になってきます。

現場の意識改革は簡単にはいきません。意識改革を進めるにはやって見せて効果を実感させることが近道です。

意識改革が伴うPLMシステムの導入には、一気にシステムを導入するビックバン型より、効果を実感しながら導入できるアジャイル型のアプローチの方が効果的といえます。

次回は、利用ユーザ数の増加によるコストの問題を解決について書きたいと思います。

-久次 昌彦-

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