プロダクトライフサイクルの情報管理はどうすれば実現できるか?②

PLMで管理されるデータはコンテンツとしてではなくコンテキストとして扱う

PLMには、パーツや部品表情報及び図面やドキュメントなどの製品に関する様々なデータが管理されています。

これらのデータを見ることで部品の重量やコストおよび仕入先の情報を得たり、図面の作成者や作成日および承認の履歴などを確認することが可能となります。

これらの情報は製品設計にかかわる誰もが共通で必要とする情報といえます。

このように情報そのものを管理しているデータのことをコンテンツと呼ばれています。

データを活用する目的が同じ場合はコンテンツ状態のデータ管理で十分です。

一方コンテキストデータとは、データを活用する状態(背景)や与えられた条件に合わせて、必要な形で提供するデータのことを言います。

PLMシステムは製品のライフサイクルに渡る情報を統合管理していますが、PLMにアクセスする人の部門や業務によって見たいデータの形は異なります。

たとえば設計変更情報一つにしても、設計部門では原因から処置および再発防止に渡る一連の対策がどのように実施されているのかを把握する必要はありますが、購買部門としては新しく採用された部品に関する仕入価格や納期に関する情報が気になりますし、製造部門では新規部品をいつからどのラインで適用を始めるのかを考えなければなりません。

同じ設計変更情報一つをとってみても部門や業務内容によって必要とする情報が異なるため、PLMのような製品のライフサイクルに渡るデータ管理を行うシステムでは、情報にアクセスする人の状態や条件(コンテキスト)を踏まえた情報を提供できるようにしてあげる必要があります。

ものづくりは良く、設計情報を後工程作業で作成される成果(メディア)への転写活動であるといわれています。

情報の転写を行う先は設計・製造プロセスの次工程ではなく、ものづくりのV字プロセスの対面に当たる工程を指しています。

図2

PLMというシステムで管理されている同じ情報を目的とタイミングが異なる部門で有効活用させるには、コンテキストを考慮した形で必要な情報のみ必要な人に提供できるようにしないと情報は有効用されません。

同じ目的でデータにアクセスしているPDMシステムの場合、データはコンテンツとしての管理形態で十分ですが、様々な部門が同じシステムで管理されているデータにアクセスするPLMの場合は、コンテキストを踏まえてデータを管理していく必要があるといえます。

次回は、モデルベースフレームワークによるPLMシステムの構築について書きたいと思います。

-久次 昌彦-

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