そのライセンス費用高すぎないか?①

今回のテーマは、CADやPLMシステムの販売形式として一般的なライセンスビジネスモデルに対し、最近登場してきたクラウドサービスやオープンソースシステムに関する採用のポイントについて触れてみたいと思います。

設計業務の効率を上げるためにCAD/CAEやPDM/PLMシステムなどをの導入を検討するのですが、CADやPLMソフトのライセンスの費用は一人当たり数十万円するのは当たり前です。

ライセンスソフトウエアのほとんどは利用人数によってライセンス費用を掛け算で計算されるため100人を超える規模で利用するシステムを構築する場合、ソフトウエアの購入だけでも数千万円の予算が必要になってきます。

これではシステム化提案に向けてのアクションに対し腰が重くなってしまうのも当たり前ですね。

また様々なコンペを経てやっと上申しても、承認されるころには市場にはより良いものが出てきてしまうことも多々あります。

これは日本の企業だけの悩みではなく、世界中のIT担当者が悩んでいるテーマでも有ります。

ただ、海外のビジネスマンはこのような悩みを自社の中だけで解決するのではなく、Linked Inなどのビジネスソーシャルネットワークを通じて盛んに議論を行い、より良い解を貪欲に求め実践しています。

ライセンスビジネスモデルに対しては、CNN Monyなどにも「Big Software has duped us for decades」なんて刺激的な記事が掲載されたりもしていますのでご興味のある方は一読してみてはいかがでしょうか。

最近ではPLMシステムの提供も多様化し、Arena SolutionsがPLMシステムをクラウドサービスで提供していたり、Aras Corporation(日本語はこちら)がオープンソースでPLMシステムをランセンスフリーで提供するといった選択肢が出てきました。

そこでエンタープライズソフトウエアのコストを下げる選択しとしてライセンスソフトビジネスの持つ課題を踏まえ、新しく出てきた選択肢としてのクラウドやオープンソースを選択する場合のポイントについて触れていきます。

ライセンスビジネスの課題とは何でしょう?

先のCNN Monyの記事にも書かれていますが、ライセンスビジネスモデルではユーザは結果として使わない費用をシステム化の最初の段階で投資してしまうということです。

費用が高いか安いかは企業の体力に依存することですので問題では有りません。

それよりも使いきれないライセンスに対して投資してしまうことによって、企業における改善の柔軟性が損なわれてしまう事が問題です。

業務改善とITは表裏一体です。業務改善を実施したらそれを定着させるためにITを使うのが一番効果的な手順です。

しかし、せっかく導入したITが適切でないと、それに引きづられて業務改善が進まないといったことも起こりがちです。

業務改善のために導入したITが逆に業務改善の足を引っ張るといった、矛盾したパラドックスに陥ります。

ライセンスを多く持っていると、「せっかくなので使いきろう」といった考えになりますが、目的と手段が一致していない使い方をしても成果は出ません。

なぜ、使わないライセンスを企業は購入するのでしょうか?

一つはボリュームディスカウントを受けるために、実際より多くのライセンスを購入している企業が多く見受けられます。

工場の中では「無駄を無くせ!」と一生懸命活動しているにも関わらず。。です。

詳細は先のCNN Monyの記事を参照頂きたいのですが、それ以外にもライセンスビジネスモデルではアップフロントコスト(初期投資コスト)が大きいという問題を抱えています。

ライセンス販売されているソフトウエアは、通常お金を出して購入しないと実際にどのように動くのか見ることが出きません。

そのため紙ベースのプレゼンテーションやデモンストレーションだけを見て、多くの会社ではソフトウエアを選択してしまっています。

もちろん、システム化がうまくいき業務が改善され、購入したライセンスを使いきれれば問題有りませんが、一般的にシステム化プロジェクトの成功率はまだまだそれほど高く有りません。

最適なシステム化の投資費用を検討するには、アップフロントコストを抑えて、小さな成功を積み重ねて大きな成果を得る手順を考えるべきです。

アップフロントコストを抑えて業務改善を段階的に進めるにはクラウドやオープンソースといったサービスは有望な選択肢の一つと言えます。

このような形で提供されているソフトウエアは少し前までは、ライセンス販売されているものに比べ自由度や完成度が劣っていたのですが、今日このような形態で入手可能なシステムは非常に完成度か高いものも有り、日本企業でも使いこなし活用している企業出てきました。

最適なシステム化投資を実現するために、情報システム担当者がクラウドやオープンソースシステムを採用する場合に考慮しておかなければならないポイントを次回以降見ていきましょう。

-久次 昌彦-