製品開発支援システムの仕組み:「つなげる」 - 前工程の成果物をつなげる

組織が効率的に機能するためには、数多くの関連しあう活動内容を明確化するとともに、それぞれの活動どうしの関連を定義して個別の活動を業務としてつなげていく必要があります。

これらの各活動では様々な成果物(アウトプット)が作成されますが、これらのアウトプットは当該活動の中だけで使われるだけでなく、関連する活動のインプットとして共有して、後工程活用の参考情報として活用されることで初めて業務プロセスが組織活動として効率的に運用され始めます。

製品開発業務プロセスは、戦略的な視点で製品の企画・計画を立案した製品企画から始まり、その内容を設計工程で詳細化するとともに、生産技術部門ではどのように作ればよいのか?、調達部門では適切な原価を維持するためにはどのような部品や素材を使うべきか?製造技術部門では効率的にモノを作るためにはどうすべきか?営業やマーケティング部門ではどのように自社製品をアピールすれば売れるのか?といった形でほぼ全社を巻き込んだ様々な部門が関係してきます。

このような全社的なプロセスを効率的に機能させるためにも、各活動の役割を定義するとともに活動のアウトプットをインプットとしてつなげていくような、プロセスアプローチを構築していく必要があります。

しかし部門を超えた業務という視点での情報連携を、人間系で実現出来る企業はかなり訓練され、企業としての哲学が明確になっている一握りの企業だけです。

このような業務プロセスを間違いなく運用していくためにはどうしてもITの力を借りる必要があります。

PLMシステムのデータ管理構造が、マスタとリレーションという形でデータをつなげてネットワーク状に管理するとともに、ワークフローを使って業務の流れを自動化する機能や、プロジェクト管理機能として各アクティビティの作業順序を管理するツールが準備されているのはこのためです。

前工程の成果物(アウトプット)を後工程のインプットとしてタイムリーに提供するするプロセスアプローチという考え方、はISOの9001やTS16949などの品質マネジメント手法としても良く採用されています。

プロセスアプローチの難しいポイントとして、前工程のアウトプットを後工程のインプットとしてどのようにつなげていく仕掛けを作っていくのかという点です。

ITを使ったシステムという名のつくものは、きめられた手続きを処理することは得意ですが、そのシステムの変更をするのを苦手としています。

製品開発にかかわる業務を定義して、プロセスをつなげるシステムを構築しても、業務をこなしていくうちにプロセスの改善とともに変わり、そのたびにシステムを変更していく必要があります。

ITを使ってシステム化する際に、このように業務プロセスが変わっていくことを前提に、システムも構築していかなければプロセスアプローチを導入しても定着しません。

たとえば、前工程のアウトプットをわざわざ人手で後工程のデータとリレーションを作成するなんてのは非現実的で、誰もその様な設定をしてくれません。

このような処理はシステムを使って自動化すべきです。かつ設定も簡単に追加・変更できるようにしておかないと、やはり使われないシステムになってしまいます。

また、前工程が作成したデータが無条件に後工程のインプットデータとして表示されても困ります。

適切なタイミングで後工程にデータを渡さないと、変更される前提のデータがいくら早い段階で後工程の人が参照できるようになっても、誰も見てくれなくなります。

そのためPLMでは、ライフサイクル機能と呼ばれるデータのライフサイクルの状態(ステート)を管理する機能が用意されています。

このようなライフサイクル機能を使うことで、データを”作業中”や”レビュー中”または”リリース済み”などの状態(ステート)を管理して、しかるべきタイミングで後工程に渡すことで、作業の手戻りなくスムーズなプロセスアプローチの運用につなげることが可能となります。

-久次 昌彦-

Aras PLMの詳細・ダウンロードはこちらから
Aras_Logo_2013
広告