製品開発支援システムの仕組み - 社内データの有効活用方法

社内に分散している情報をいかに効率的に活用するかというテーマに、多くの企業が取り組んでいます。

そのなかでも、このテーマに真正面から取り組まなければならないのが、人がアイデアを出し具体化する製品開発業務です。

今日では日常的にも、ブログやミニブログ、SNSなどのソーシャルメディアを活用して情報を収集することが盛んに行われています。

これらの仕掛けと同じように会社の中でも必要な情報を簡単に収取できればよいのですが、ソーシャルメディアと企業内システムとでは2つの点で大きな違いがあります。

一つはコミュニティの規模の違いです。

10 万人の社員がいる企業は超大手企業といえますが、インターネット上で展開されているソーシャルメディアのコミュニティの数は数千万人から億人単位の参加者 がいます。このような膨大参加者がいて、初めてコミュニティから発信されるソーシャルメディアの情報の精度が上がってきます。同じソーシャルメディアでも 小さなコミュニティのものと大きなコミュニティのものでは、情報精度の違いがあることは皆さんもご経験のことと思います。

しかし、企業内にクローズしているコミュニティでは、とてもこの規模の参加者を確保することはできません。

二点目の違いとして企業内の情報は、仕事から仕事に受け渡されることで初めて情報が有効活用されたことになるという特性です。

企業は組織で動いています。よって個人が作成した情報は、自分の次工程作業の人に情報が渡って初めて活きてきます。

このように、情報を異なる役割を持つ担当者間で受け渡して内容を完成させていくといった振る舞いをするソーシャルメディアは今のところ存在しないのではないでしょうか。

Wikiなどはこれに近いものがありますが、Wikiにしろ数多くのコミュニティの参加者が集まって初めて精度の高い情報を蓄積できるようになります。少人数のWikiがあまり有名にならない点を見ても明らかですね。

ただ、ソーシャルメディアの使い勝手のよいユーザインターフェースや、コミュニティといった集団の力を活用して知識を向上させていくといった仕組みに関しては、製品開発業務でも大いに参考にするところがあると思います。
では、製品開発情報システムとして、企業内で人の知恵を情報として流通し、有効活用する仕掛けをどのように作るべきでしょうか。

まず認識しなければいけないのは、システムは仕掛けであってそれを活用するシナリオが出来ていないと効果が出ないということです。

ITのメリットはデータを簡単に複写したり編集できたり、またほぼリアルタイムに情報を送信することができかつ、それらの情報を蓄積することが出来る点です。

モノの流れを管理するSCMや顧客情報を管理するCRMなどは、特定の部門や業務にフォーカスしているシステムなので、蓄積したデータを業務に合った形に加工するといったITの本来得意な機能を使ってシステムを構築することが出来ます。

しかし設計業務を管理するPLMでは、このようなベーシックなITの機能だけでは十分業務をサポートすることができません。

製品開発業務は、複数の異なる役割を持つチームがそれぞれの専門領域の作業を行い、最終的に一つの製品に作り上げていきます。

これらの成果物は人が作成するのですが、これらの成果物を次工程につなげ、無形のアイデアを有形の製品に仕立てる形で情報をつなげていくことが必要です。

もうひとつ重要なことは、情報をつなげていく工程が一方向だけではないという点です。

情報をシーケンシャルに流すだけであれば、ITを活用すればすぐに有効な情報システムを構築することが出来ますが、製品開発業務は試行錯誤の繰り返しでもあるので、必ず手戻りが発生します。

このような手戻りによる繰り返し作業は、むやみに削減すればよいというものではありません。

しかるべきレビューを重ね、より良いものにしていく過程では必ず繰り返し作業発生するもので、情報システムもこのような繰り返し作業があることを前提に考える必要があります。

この点がSCMやCRMと違いPLMの構築が難しいポイントでもあります。

PLMシステムでは、PLMシステムや他のシステムで管理している情報を蓄積し、加工し、共有するだけでなく、情報を役割の異なる作業間をつなげ、かつ繰り返し行われる情報の流れをマネジメントするシステムでなければなりません。

よってPLMシステムの構築を行う際には、情報を加工し、蓄積する機能に注目するのではなく、情報の流れを管理するための業務プロセスに注目し、それにいかにシステムを適用するかといった思考でシステム化を進める必要があります。

これらのことを考慮してPLMシステムをを製品開発業務に有効に機能するための3つの仕掛けが「つなげる」、「しらせる」、「みつける」です。

次回以降、これらの3つの仕掛けにつして具体的に紹介していきたいと思います。

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-久次 昌彦-

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